AI議事録ツールを選ぶときは、製品名や料金だけで決めず、会議の形式、使っている会議サービス、必要な成果物、データの扱い、導入後の確認担当者を先に整理します。文字起こしができても、決定事項や担当者、期限まで使える形でまとまるとは限りません。候補を同じ会議で試し、確認と修正にかかる時間も比べましょう。

最初に決めるのは「何を残すか」

議事録ツールに求める成果物を、次のように分けておくと比較しやすくなります。

  • 会話を後から検索するための全文文字起こし
  • 会議全体を短く把握するための要約
  • 合意した決定事項
  • 担当者と期限を含むアクション項目
  • 欠席者にも共有できる正式な記録

すべての会議で同じ出力が必要とは限りません。相談や情報共有の会議なら要点だけで十分な場合があります。一方、担当者や期限が重要な会議では、要約の読みやすさだけでなく、誰が何をいつまでに行うかを正しく拾えるかを確認します。正式な記録が必要なら、生成結果を人が確認し、組織で決めた形式に整える工程も含めて選びます。

AIの出力と照らす会議中の記録方法も見直したい場合は、会議メモの取り方を確認すると、記録に残す項目や会議後の整理手順を整理できます。

比較する7つの確認項目

1. 日本語の認識精度

日本語対応の表示だけでは、実際の会議で使えるか判断できません。業界用語、製品名、人名、数字、略語、複数人の発言が重なる場面を含む短いサンプルで試します。誤認識を辞書登録できるか、話者を分けて確認できるかも見てください。

2. 会議の形式と接続方法

オンライン会議にボットを参加させるのか、パソコンやスマートフォンのマイクで録音するのか、録音済みファイルをアップロードするのかを確認します。利用中の会議サービスに対応しているかだけでなく、主催者の操作、参加者への表示、録音できない会議での代替手段も試します。対面会議を記録する場合は、端末やマイクの位置によって聞き取りやすさが変わるため、実際の部屋で確認しましょう。

3. 要約とアクション項目の出力

要約の文章が自然でも、決まったことと検討中のことが混ざったり、発言していない担当者や期限が補われたりすることがあります。試用時は、元の会話と照らして次の点を確認します。

  • 決定事項が、提案や未決事項と区別されている
  • アクションに担当者と期限がある。会話にない情報は空欄や未定として扱われる
  • 数字、固有名詞、否定表現が正しく残る
  • 要約から元の発言箇所を確認できる
  • 修正後の記録を必要な形式で共有・保存できる

ツールが出力した文章を、そのまま確定済みの議事録として配布する運用は避けます。記録者や会議の責任者が内容を確認し、誤りを直す時間を見積もってください。

4. データの保存・利用とアクセス管理

音声や文字起こしについて、保存期間、削除方法、AIの学習への利用、保管場所、管理者権限、共有範囲を確認します。無料枠と有料プラン、個人向けと法人向けで条件が異なる場合があるため、導入するプランの規約と管理画面で確かめてください。社内の情報管理ルールに照らし、録音・共有の対象にできる会議を決めます。

5. 料金の単位と利用上限

月額だけでなく、利用人数、文字起こし時間、会議ごとの上限、要約回数、AIクレジット、保存期間を同じ表に書き出します。必要な会議数を想定し、超過時の扱いや追加料金も確認しましょう。料金表示の税込・税別、年契約・月契約も揃えて比較します。

6. 修正・共有のしやすさ

誤認識を見つけて直す手間、決定事項やアクション項目の編集、チームへの共有、出力形式を確認します。会議後に別の文書へ何度も転記する必要があると、導入で減らしたい作業が残ることがあります。自社で使う記録形式に近い形で出せるか試してください。

7. 運用担当者と見直し方法

導入後に、誰がアカウントや権限を管理し、用語辞書を整え、保存期間を確認し、議事録を配布前にレビューするのか決めます。担当者が決まっていないと、誤った記録の修正や不要なデータの削除が後回しになりがちです。小さく試す段階でも、会議の選定から評価までの責任者を一人決めておきます。

公式情報で確認できる製品例

以下は、公式サイトで仕様を確認できた製品例です。機能や価格はプランごとに異なり、利用条件も更新されるため、順位づけではなく比較の観点として見てください。

LINE WORKS AiNote

公式情報では、日本語を含む複数言語の文字起こし、話者の認識、AI要約が案内されています。Zoom、Microsoft Teams、Webex、Google Meet、LINE WORKSでの録音にも対応すると説明されています。[1] Teamプランは、公式料金ページで年契約時に月額19,800円、月契約時に月額22,000円(いずれも税別)と表示されています。共有環境の文字起こし時間や要約回数には上限があるため、利用人数と会議量に照らして確認してください。[2] 有料プランの音声データをAIモデルの学習に使わないこと、保存期間などの条件も、契約プランの規約で確認できます。[3]

Rimo

Rimoは、2026年10月1日に「Rimo Voice」から名称変更したサービスです。公式ヘルプでは、ファイルのアップロード、マイク入力、オンライン会議へのボット参加を通じた記録方法や、日本語を含む60以上の言語への対応が案内されています。[4][5] 公式料金ページでは、文字起こしのみのプランが月額1,650円(税込)で、月2,100分まで、保存期間30日と表示されています。AI要約を含むProプランは月額4,950円(税込)で、ボット録音・文字起こしの利用条件などが異なります。プランごとに利用上限と保存条件を分けて確認してください。[6]

両社の金額は、利用人数や文字起こし時間、要約の上限、保存条件が異なるため、月額だけで直接比べられません。実際の会議数を当てはめ、必要なプランの総額と運用負担を比較してください。

導入前にできる試用手順

  1. 対象会議を決める:機密性や参加者への案内方法を確認し、試用に使える会議を選びます。社内ルールに沿わない会議の音声を入力しないでください。
  2. 同じ条件で記録する:可能な範囲で同じ会議、同じ音声、同じ用語を使い、候補ごとの差を見ます。実データを使えない場合は、機密情報を含まないサンプルを用意します。
  3. 誤りを数える:人名、数字、専門語、話者、否定、決定と未決の取り違えを記録します。
  4. 修正時間を測る:文字起こしを直し、要約・担当者・期限を確認して共有できる状態にするまでの時間を測ります。
  5. 運用条件を確かめる:権限、保存期間、削除、共有範囲、利用上限を管理者と確認します。
  6. 小さく採点する:精度、修正時間、必要な出力、情報管理、費用、運用のしやすさを各1〜5点で評価し、必須条件を満たさない製品は点数にかかわらず候補から外します。
確認項目試用メモ評価(1〜5)
日本語・固有名詞・数字の認識
決定事項とアクションの正確さ
修正から共有までの時間
会議サービスと録音方法
保存・学習利用・権限の条件
想定利用量での月額費用
管理・レビュー担当を決められるか

点数は候補を比べるための社内メモです。評価項目や重みは、会議の種類と組織のルールに合わせて決めます。

まとめ

AI議事録ツールは、日本語の認識精度、会議サービスとの接続、決定事項とアクションの扱い、データ条件、料金上限、修正・共有の手間、運用担当者をまとめて比較しましょう。まずは情報を扱える会議を一つ選び、同じ条件で試用して、誤りと修正時間を記録します。導入を決める前に、生成結果の確認者と保存・共有のルールも決めてください。

References

  1. LINE WORKS. "LINE WORKS AiNote | AI議事録・文字起こしツール". [**
  2. LINE WORKS. "LINE WORKS AiNote | AI議事録・文字起こしツール". [**
  3. LINE WORKS. "LINE WORKS AiNoteサービス利用規約". [**
  4. Rimo. "Rimo Voiceで出来ること". Updated August 21, 2026 [**
  5. Rimo. "Rimo、創業7周年を機に「Rimo Voice」を「Rimo」へ名称変更、ブランドロゴも刷新". Updated October 1, 2026 [**
  6. Rimo. "Rimo Voice 料金プラン | Rimo". [**