物語のアイデアは至るところにあります——見知らぬ人のひと言、「もしも」という問い、名前を付けられない感情。難しいのは見つけることではなく、消えてしまう前につかまえることです。次の白紙のページに備えて、手元に置いておける物語のアイデアと創作のお題をご紹介します。
お題が役立つ理由
文学的なフィクションを読むと、他人の心を理解する力——研究者が「心の理論」と呼ぶ能力——が育まれます[1]。フィクションを書くことでも、同じ力が鍛えられます。お題は書き始めるハードルを下げ、ページを見つめたままで終わらず、実際に手を動かすきっかけをくれます。
ジャンル別の物語アイデア
フィクション
- たった一日だけ、うそをつけなくなった人物。
- 静かに消えつつある町を最後に去る人。
- 宛名に違う名前が書かれた贈り物。
ノンフィクション
- 何か重大なことについて考えを変えた日。
- 苦労して身につけた技術と、そのために払った代償。
- 自分で認めていた以上に、自分を形作った場所。
詩
- ある色と、それが宿す記憶。
- ある特定の時刻の音。
- 小さな物と、それが目撃したもの。
創作のお題(コピー用リスト)
- 「誰かが言えばよかったと願っているひと言から始める」
- 「危うく口に出さずに終わるところだったことを書く」
- 「登場人物のもとに、過去の自分からメッセージが届く」
- 「そこにないものを通して、部屋を描写する」
- 「テーブルの上の物が語る真実」
- 「始まった場所で終わるが、何かが変わっている旅」
- 「ドアが閉まったあとに交わされる会話を書く」
- 「それが最後だとしたら、ごく普通の火曜日」
Writer's Digestのような著名なライティングガイドには、自分用のリストを作る際に活用できる大規模なお題集があります[2]。
お題をすぐ使えるようにする
- 一か所に保存しましょう。 あとで見つけられないスクリーンショットより、随時更新するリストのほうが役立ちます。
- 思いついたらその場で追加しましょう。 アイデアが浮かんだら、消える前に記録します。
- 書いたあとではなく、書く前に開きましょう。 このリストは、行き詰まった瞬間のためのものです。
- 一か所にまとめましょう。 EasyNotesのようなメモアプリなら、お題のリストを検索できる一つの場所にまとめられます。バスの中で保存したアイデアも、腰を据えて書くときにはすぐ見つけられます。
よくある質問
至るところから生まれます——見知らぬ人のひと言、「もしも」という問い、名前を付けられない感情。大切なのは、消えてしまう前につかまえることです。リストを常に更新し、アイデアが浮かんだ瞬間に追加しておけば、次に白紙のページを前にしたときの素材になります。
良いお題は具体的でありながら、解釈の余地もあります。たとえば「誰かが言えばよかったと願っているひと言から始める」や「そこにないものを通して、部屋を描写する」です。お題が与えるのは家全体ではなく、入り口です。行き詰まった瞬間に開けるよう、お題のリストを保存しておきましょう。
実際にあった小さな出来事を取り上げ、ひねりを加えてみましょう。そこにいる人物を変える、代償を加える、結末を逆転させる、といった方法があります。「考えを変えた日」も、一つの「もしも」を加えればフィクションになります。こうしたひねりを一か所に記録しておけば、書きたいときにすぐ使えます。
行き詰まってからではなく、書き始める前に保存済みのお題リストを開きましょう。一行を選び、途中でも、結末でも、一つのイメージからでもいいので始めます。本当のことを一文書いた瞬間、ページはもう白紙ではありません。あとは勢いが先へ運んでくれます。
まとめ
物語のアイデアが不足しているのではありません。難しいのは、それをつかまえることです。ジャンル別のお題リストを作り、何か心に引っかかるものがあれば追加し、書く前に開きましょう。そうすれば、白紙のページは壁ではなくメニューになります。
参考文献
- Kidd, D. C., & Castano, E. (2013). "Reading Literary Fiction Improves Theory of Mind"(文学的フィクションを読むことで心の理論が向上する). Science, 342(6156), 377–380.
- Writer's Digest. "Creative Writing Prompts"(クリエイティブ・ライティングのお題).