新しい仕事を教わるときは、説明を全部書き写すよりも、あとで自分が同じ作業を再現できる形で残すことが大切です。この記事では、仕事を覚えるためのメモを「手順」「例外」「質問」「やり直しの確認」に分けて作ります。業務を引き継ぐための資料や会議の正式な議事録とは目的が違うため、まずは自分が次に一人で動ける状態を目指します。
仕事を覚えるメモに入れる4項目
1. 手順:通常は何をどの順番で行うか
最初に、作業の開始条件と終了条件を書きます。作業名だけでなく、次の人や画面に渡すところまで含めると、途中で止まりにくくなります。
- 開始:いつ、何を受け取ったら始めるか
- 順番:1、2、3の番号で短く書く
- 判断:どの状態なら次へ進むか
- 終了:どこまでできたら完了か、誰に知らせるか
説明を聞きながら長い文章を書く必要はありません。固有名詞、数字、期限、ボタン名など、間違えるとやり直しになる情報を優先します。
2. 例外:いつもと違う場合の分岐
通常手順だけでは、実際の仕事で迷います。「もし〜なら」「〜がない場合」のように条件を書き、判断できないときの相談先も残します。
- 必要な資料がそろっていない場合
- 締切が近く、通常の順番で間に合わない場合
- 入力内容に誤りがある場合
- 自分の権限では処理できない場合
例外の答えを自分で作らず、「誰に、何を確認するか」を質問欄に移します。
3. 質問:その場で聞けなかったこと
説明中にすべて聞こうとすると、手順を聞き逃すことがあります。疑問は ? を付けて仮置きし、説明が一区切りついたところで確認します。
質問は「分かりません」だけで終わらせず、どこまで理解したかを添えます。
「通常はA→B→Cで進め、Bで数字が合わない場合だけ確認する、という理解です。数字が合わないときの連絡先は誰ですか?」
この形なら、相手も理解のずれを直しやすくなります。
4. やり直しの確認:自分で再現できたか
教わった直後に、メモを見ながら最初から最後まで一度実行します。終わったら、次の3点を確認してください。
- 手順を見ずに、次の一手を説明できるか
- 例外が起きたとき、止める場所と相談先が分かるか
- 完了したことを示す記録や連絡が残っているか
間違えた箇所は消さずに、赤字や追記で「なぜ直したか」を残します。同じ説明をもう一度受けるときにも役立ちます。
そのまま使えるメモのテンプレート
業務名:
教わった日:
教えてくれた人:
目的・完了条件:
通常の手順
1.
2.
3.
例外・分岐
- もし__なら:
- __がない場合:
- 判断できない場合の相談先:
確認したいこと
- ?
- ?
やり直しの結果
- できたこと:
- 間違えたこと:
- 次回に見る場所:
記入例:請求書を確認して登録する
業務名:取引先から届いた請求書の登録
教わった日:4月8日
教えてくれた人:佐藤さん
目的・完了条件:
金額・支払日・取引先名を確認し、登録後に担当者へ完了を伝える。
通常の手順
1. 共有フォルダの「未確認」から対象の請求書を開く。
2. 取引先名、請求番号、金額、支払日を原本と照合する。
3. 登録画面に入力し、入力者欄に自分の名前を入れる。
4. 登録番号をメモし、担当者へ完了を伝える。
例外・分岐
- 金額が注文書と違う場合:登録せず、担当者に確認する。
- 請求番号がない場合:取引先名と受領日を添えて佐藤さんに聞く。
- 支払日が休日の場合:社内の締めルールを確認する。
確認したいこと
- ?休日の扱いは月末にも同じか。
- ?登録後の訂正は自分で行わず、担当者に依頼するか。
やり直しの結果
- できたこと:1件を手順どおり登録できた。
- 間違えたこと:登録前の金額照合を飛ばしそうになった。
- 次回に見る場所:手順2を必ず指差し確認する。
メモを見返すタイミング
見返す時間を先に決めると、書いただけで終わりません。おすすめは次の3回です。
- 説明直後:抜けた項目や読めない文字を直す。
- 初回の実行前:手順と完了条件を確認する。
- 実行後:例外と間違いを追記し、次回の注意点を1行で残す。
数日後に同じ作業がある場合は、前回のメモを開いて「今も同じ手順か」を確認します。担当者、画面、締め日などが変わっている場合は、古い内容をそのまま使わず質問し直してください。
聞き直すときの伝え方
メモを見返しても判断できないときは、早めに聞きます。相手の時間を取りすぎないよう、業務名、迷っている箇所、自分の理解、確認したいことをまとめて伝えます。
「請求書登録の手順2で、金額が注文書と違いました。通常は登録せず担当者に確認する理解ですが、今回はどなたに連絡すればよいでしょうか?」
聞いた答えは、元の質問の下に日付と一緒に追記します。ルールが変わったときも、いつから何が変わったかを後で追えます。
まとめ
仕事を覚えるメモは、説明を保存するためではなく、次に自分で正しく動くために作ります。手順、例外、質問、やり直しの確認を分け、説明直後と初回実行後に更新しましょう。迷ったまま進めず、自分の理解を短く伝えて聞き直すことが、メモの抜けを実務のミスにしない一歩です。


